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Difyナレッジベース・Webフォームシステムなどウェブ制作の最前線

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MEDIUM定例座談会 2025年8月20日

プロジェクトの進捗から未来の展望まで
このブログ記事は私達MEDIUMが週一回開催する定例会議の内容を再構成して掲載するものです。最新のAIニュースやウェブ制作、デザインに関する情報をお届けします。
※各AIサービスの性能比較や優劣に関する評価は発言者の主観が含まれます。また、サービス価格や機能については変動する可能性があるため、最新の正確な情報についてはベンダーの公式ホームページをご確認ください。
参加者紹介
吉田: ウェブディレクター、デザイナー
川村: ウェブデザイナー
西川: ウェブデザイナー
戸髙: ウェブデザイナー
本田: 進行役
目次
プロジェクトの進捗と課題
Webフォームシステムの検討
サイト不具合とPHP対応
AI技術の活用とデータ管理
Geminiによるコンテンツ生成
Difiナレッジベースの可能性
データ連携と自動化の挑戦
効率化と事業展開の考察
AI活用の新たなサービス構想
最新技術習得とスキル向上
座談会を終えて

プロジェクトの進捗と課題

-Webフォームシステムの検討-
〈本田〉
こんにちは、皆さん。本日は定例会議ということで、まずは各プロジェクトの進捗と、特に課題となっている部分について議論していきましょう。
フォームシステムに関してはPHP工房をよく利用していますが、これについて何か検討していることはありますか?
〈吉田〉
PHP工房は買い切りで、アップグレードがないという特徴があります。SSLの暗号化の部分はしっかりと検証されているので、その点は安心できるかと思います。ただ、住所などの個人情報を扱わないフォーム向けで、基本的な機能に限られます。
〈西川〉
外部サービスだと、フォームランやHubSpotなども候補に挙がりますね。フォームランは30通までカスタマイズ可能ですが、無料版だとロゴが出てしまいます。HubSpotは無制限で使えてロゴも出ますが、送信先メールアドレスが1つしか設定できないという制約があります。どちらも月額費用がかかる有料版もありますが、無料版だと保守面での不安も残りますね。
〈本田〉
なるほど。コストと機能、そして保守の手間を考えると、どれがベターなのか、引き続き検討が必要そうです。安価に抑えるならPHP工房、安全性や多機能を求めるならサブスクリプション型の外部サービス、といったところでしょうか。PHPのバージョンアップ時の対応も考えると、テンプレートを統一して管理する方が効率的かもしれません。
-サイト不具合とPHP対応-
〈戸髙〉
最近、メディウムのサイトでレイアウトが崩れる不具合が発生しました。PHPのバージョンを8.3に上げたのが原因で、WordPressの固定ページを判別する関数で、固定ページではない場合の動作を記述していないとエラーになることが判明しました。
〈西川〉
それはPHP全般というより、WordPressの記述に関わる部分なんですね。今までPHPのバージョンアップで動かなくなることはあまりなかったですが、レイアウトが崩れるというのは厄介ですね。しかも、デバッグモードをオフにしてもエラーメッセージが検索結果に表示されてしまって困りました。
〈本田〉
それは大変でしたね。サイトの不具合は信頼に関わる問題ですから、PHPのバージョンアップには今後さらに注意を払う必要がありますね。
〈戸髙〉
そうですね。スマホで見たときにメニューボタンが押せなかったり、スクロールしてもレイアウトが崩れたりしていたので、早急な対応が必要でした。
〈西川〉
PHP工房で作ったフォーム自体は、今回のPHPバージョンアップでは特に問題なく動作していましたね。メディウムのテスト環境でもメール送信やレイアウト崩れはなかったので、特定の環境や記述による問題だったようです。
〈戸髙〉
PHP工房のバージョンアップ履歴を見ると、2020年5月8日以前にダウンロードしたものがPHP 8以上でエラーになる可能性があると出ていました。今回の不具合も、そのうちの1つに該当する非推奨の記述が原因だったようです。
〈本田〉
そういった情報も踏まえ、今後PHPのバージョンアップを行う際は、さらに慎重に進める必要がありますね。事前にテスト環境でしっかり検証することが重要だと改めて感じました。

AI技術の活用とデータ管理

-Geminiによるコンテンツ生成-
〈本田〉
次に、AI技術の活用について話しましょう。最近Gemini 2.5 Proのアップデートもありましたが、私はGemを使って絵本を作ってみました。子供向けのオリジナル絵本だけでなく、大人向けの不動産広告用の絵本も作成できたんですよ。
〈吉田〉
不動産広告の絵本ですか。面白い試みですね。
〈本田〉
ええ、たとえば物件そのものの広告ではなく、お風呂の設備や周辺情報を絵本形式で説明したり、モデルルームに子供向けに置いたりするのも面白いかなと。プロンプトを工夫すれば、より精度の高いものが作れそうです。PDFやブック形式で共有できるのも利点ですね。
〈戸髙〉
ライフインフォメーションや設備の説明など、使い方次第で活用範囲は広がりそうですね。
〈本田〉
他にも、Geminiで不動産の市場分析レポートを作成する試みも行いました。スプレッドシートの物件データ(住所、交通、単価、販売状況など)を読み込ませて、市場動向や価格変動要因などを分析させたんです。
〈西川〉
それはかなり実用性が高いですね。数字データからレポートを自動生成できると、業務効率が格段に上がりそうです。
〈本田〉
ただ、現状はハルシネーション(AIの幻覚)が多く、坪単価の順番が入れ替わったり、数字が間違っていたりする問題があります。そのため、Google Apps Script(GAS)でスプレッドシートからテキストデータに変換し、NotebookLMやLooker Studioと組み合わせてレポートを作成する方法も検討しています。
-Difyナレッジベースの可能性-
〈本田〉
さらに、Difyのナレッジベース機能にも注目しています。Google DriveやNotionのような外部データソースを読み込んでナレッジベースとして活用し、レポート作成に利用できるのではないかと考えています。
〈吉田〉
Difyのナレッジベースはリアルタイムで外部データを参照してくれるのでしょうか?
〈西川〉
公式ドキュメントには外部データを参照できると書かれていますが、実際に外部のデータを直接ナレッジとして利用できるのか、それとも一度Difyのナレッジに落とし込んでから参照するのかは検証していません。おそらく後者の可能性が高いと思いますが、その場合、毎回更新が必要になります。
〈本田〉
私が想定しているのは、日々更新される膨大なデータを自動的にDifyに取り込み、レポートなどの成果物に生かすことです。手動での更新ではなく、自動化が肝だと考えています。
〈西川〉
CSV形式の構造化データであれば、LLMが読み込みやすい可能性はありますね。ただ、DifyのナレッジにCSVデータを入れた場合、思った通りにチャンク分けしてくれるか、解釈してくれるかは別の話になります。特に、横並びの表形式のデータだと、自然言語として認識されてしまい、意図しないチャンク分けがされる可能性が高いです。
〈吉田〉
スプレッドシートの情報をGASで取得し、それを特定の形式でDifyに連携させることは可能かもしれません。ただ、個人的にはコードの実装にハードルを感じています。
〈本田〉
私が望むのは、スプレッドシートのような表データを直接Difyが読み込み、正確なレポートを自動生成することです。以前は難しかったかもしれませんが、最近のLLMは数字を正確に認識するようになってきているので、試してみる価値はあると思います。
-データ連携と自動化の挑戦-
〈本田〉
Difyのナレッジベースと外部データの連携をどう自動化していくかが大きな課題ですね。膨大な物件データのようなものを手動でCSVに変換してDifyに投入するのは非現実的です。
〈西川〉
確かに、何千というデータを手動で管理するのは難しいですね。やはり、APIを用意して自動連携させるのが理想だと思います。Google Colabのような環境を使えばPythonでAPIを構築することも可能ですが、個人的にはそのハードルが高いと感じています。
〈本田〉
Google ColabはGoogleのサーバー上でPythonなどの言語を動かせるので、セキュリティも高く便利ですよ。
〈吉田〉
VS Codeの拡張機能で、Mark ItというMicrosoftのツールを使えば、ExcelやPDFデータをMarkdown形式に変換し、Notionのデータベースにインポートしてナレッジ化できるという話もありますね。業務に直結しそうな機能です。
〈戸髙〉
Difyの外部ナレッジ連携にはAPIが必要ですが、Difyが必要としている入出力形式に合わせてAPIを自前で作成しないといけない点が難しいです。GASだけでリアルタイム更新までできるかはまだ不確かですが、挑戦してみる価値はありますね。
〈西川〉
LINE連携のAPIは一度経験があるので、その知識を応用できるかもしれません。いずれにしても、そのAPIの設計と実装が鍵になりそうです。
〈本田〉
API連携が実現すれば、例えばラーメン屋さんのLINEチャットボットで、今日のオススメをプルダウンメニューから選ぶだけで、自動的に顧客にプッシュ通知したり、情報を提供したりするシステムも構築できるようになります。成果物がレポートであってもLINEのメッセージであっても、API連携により用途の可能性が広がると思います。

効率化と事業展開の考察

-AI活用の新たなサービス構想-
〈本田〉
私が考えているのは、ただAIツールを使うだけでなく、それを活用して新たなサービスを創出することです。チャットボットだけでは、正直なところ競合との差別化が難しいと感じています。
〈吉田〉
Google Agent Spaceのような企業向けのAIエージェントサービスも出てきていますが、これは大規模利用を想定しているのでしょうね。
〈本田〉
ええ、Difyのようなツールを使いこなして、例えばスプレッドシートにデータを入れるだけで自動的にレポートが生成されるような、付加価値の高いサービスを提供したいと考えています。大企業では社員がDifyを使って自分でアプリを作っている例があるように、一般的な営業や企画の人が手軽に使えるレベルでは、なかなか対価を得るのが難しいでしょう。API連携やGASを駆使して、一歩進んだ成果物を出せるからこそ、商品として価値が生まれると思うんです。
〈西川〉
確かに、既存のサービスとの比較で、Difyを組み合わせることで何ができるのか、その「もっと」の部分をお客様に明確に示すことが重要ですね。
〈本田〉
そういうことです。現状のNotebookLMでは、スプレッドシートやCSVを直接読み込めず、一度テキスト形式に変換する手間が必要です。それを自動化し、成果物として視覚化されたレポートを自動生成するシステムは、大きな商品価値になるはずです。
〈戸髙〉
チャットボット開発では、学習期間も含めて3ヶ月ほどかかりましたが、一度システムを構築すれば、中のナレッジだけを作成・更新する前提であれば1ヶ月程度で提供できると試算していました。
-最新技術習得とスキル向上-
〈本田〉
私は、皆さんにこのようなAPI連携やGASの活用といった最新技術にチャレンジしてほしいと考えています。私自身、LLM(Gemini)を使ってスプレッドシートの複雑な関数を半日で作成できた経験があり、今のAIを使えば、専門家でなくてもある程度のことができるようになっています。
〈西川〉
確かに、AIがコード生成を助けてくれるので、技術的なハードルは下がっていますね。
〈本田〉
その通りです。こういった技術は、今後もウェブ業界で生き抜くために重要なスキルになるはずです。Difyも、この先すぐに廃れるようなものではなく、主流の一つとして残り続けるでしょうから、Difyのスキルを習得することは皆さんのキャリアにとって大きなプラスになると思います。
〈吉田〉
今後、NotebookLMがCSVやスプレッドシートを直接読み込めるようになる可能性もありますが、現状ではまだ工夫が必要です。
〈戸髙〉
Difyの外部連携のAPI設計について実際に試してみます。APIを自分で設計する部分にハードルを感じますが、Difyが必要とする入出力形式さえ守れば、フレームワークや言語は問わないとのことなので、できる限り調べてみたいと思います。
〈本田〉
素晴らしいですね。それができれば、ああいったデータだけでなく、様々な応用が可能になるはずです。

座談会を終えて

〈本田〉
本日の定例座談会はこれにて終了です。最新のAIツールの機能や選び方、そしてAIによる業務効率化の展望について、非常に多角的な議論ができました、ありがとうございました。