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今後Webサイトはどうなっていくんだろう?
MEDIUM VISION

MEDIUM定例座談会 2025年7月15日
このブログ記事は私達MEDIUMが週一回開催する定例会議の内容を再構成して掲載するものです。最新のAIニュースやWeb制作、デザインに関する情報をお届けします。
※各AIサービスの性能比較や優劣に関する評価は発言者の主観が含まれます。また、サービス価格や機能については変動する可能性があるため、最新の正確な情報についてはベンダーの公式ホームページをご確認ください。
参加スタッフの紹介
吉田:Webディレクター、デザイナー
川村:Webデザイナー
西川:Webデザイナー
戸髙:Webデザイナー
本田:進行役
●AI時代の到来!Webサイト制作の未来を大胆予測
◯OpenAIの新ブラウザがWebの世界をどう変えるのか?
◯Webサイトは「情報の置き場」へ?制作会社の役割の変化
◯これから求められるWebサイトの「体験価値」とは何か
●座談会を終えて
AIブラウザの衝撃:Web制作の未来を徹底討論!
-OpenAIの新ブラウザがWebの世界をどう変えるのか?-
〈本田〉
最近、OpenAIが独自のブラウザを数週間以内にリリースするというニュースが話題になっていますが、これは我々のWeb制作の現場に大きな変化をもたらしそうですね。今日はこのテーマを深掘りしていきたいと思います。
〈吉田〉
非常に興味深い話ですよね。たしか以前、OpenAIのサム・アルトマンCEOが、今後ブラウザでの検索は単にページを表示するだけでなく、ユーザーの検索クエリに応じて、その場で動的にWebページを生成する機能を持つであろうと言うコメントを出していたと思うのです。今回リリースされるOpenAIのブラウザがそのような機能を持っているかどうかはわかりませんが、将来的な方向性としてはそのような機能を備えていることはあり得るのではないでしょうか。
〈川村〉
カスタムWebページが動的に生成される、ですか?それってつまり、ユーザーが何かを検索したら、AIがその人のためだけのWebページを即座に作り上げて見せる、ということでしょうか。
〈吉田〉
その通りです。今までは検索結果に表示されたリンク一覧から、ユーザー自身が情報を探してページを訪れていましたよね。しかし、これからは検索エンジンがユーザーの意図や背景を理解し、世界中のWebサイトから最適な情報を集めて、一つの完結したページとして再構成して提供するようになるかもしれません。
〈西川〉
すごい世界ですね。そうなると、私たちが作っているような、あらかじめデザインやコンテンツが固定されたWebサイトの価値が相対的に下がってしまうかもしれませんね。
〈戸髙〉
デザイナーの視点から見ても、非常に大きな変化ですね。ページ全体のデザインというよりは、AIがパーツとして組み合わせやすいように、UIコンポーネントを設計するような考え方が主流になるかもしれません。AIがどういう文脈でそのパーツを使うのかを予測しながら作る、みたいな。
〈本田〉
なるほど。Webサイトの「ページ」という単位そのものの概念が揺らぐわけですね。ただ、AIが情報を生成するにしても、その元となるデータはどこかから取得する必要があります。そうなると、Webサイトの役割自体が変化してくるのではないでしょうか。
-Webサイトは「情報の置き場」へ?制作会社の役割の変化-
〈本田〉
AIがユーザー1人ひとりに最適化されたページを生成する時代になると、既存のWebサイトはどのような役割を担うことになるのでしょうか。
〈吉田〉
Webサイトは、もはやユーザーに直接見せるための「完成品」ではなく、AIエージェントが情報を効率的に取得するための「情報の置き場」、つまりデータハブとしての役割が中心になる可能性があります。
〈西川〉
データハブ、ですか。そうなると、私たちWeb制作会社の仕事も、見た目の美しさや使いやすさを追求するだけでなく、その裏側にあるデータの構造化が非常に重要になってきますね。
〈吉田〉
その通りです。これからは「AIO(AI Agent Optimization)」、つまりAIエージェント最適化がSEOに代わる新しい概念になるでしょう。AIがいかに正確に、そして意図通りに情報を読み取ってくれるか。そのために、セマンティックなマークアップや構造化データをきっちり実装することが、これまで以上に求められます。
〈川村〉
デザインも、ただ綺麗なだけでなく、AIが「これは見出しだ」「これは重要なボタンだ」と判断しやすいように、意味論的な設計が不可欠になりますね。
〈戸髙〉
広告のあり方も変わりそうですね。AIが生成したページに、今のようなバナー広告が表示されるとは考えにくいです。企業は、自社の製品やサービスをAIに「良いものだ」と認識させ、ユーザーへの提案に含めてもらうためのアプローチが必要になるかもしれません。
〈本田〉
まさに、これまでのWebマーケティングの常識が通用しなくなるかもしれませんね。Webサイトを「見せる」から「使わせる・参照させる」へと、発想の転換が求められる時代が来るのかもしれません。そうなると、ただ情報が置いてあるだけのサイトは、AIに要約されて終わり、ということにもなりかねません。
-これから求められるWebサイトの「体験価値」とは何か-
〈本田〉
単なる情報提供がAIに代替されるのであれば、これからのWebサイトにはどのような価値が求められるのでしょうか。「体験価値」というキーワードが重要になりそうですね。
〈川村〉
はい、AIでは簡単に再現できない、そのサイトでしか味わえない独自の「体験」を提供することが不可欠になると思います。例えば、ユーザーのアクションにリアルタイムで反応するインタラクティブなアニメーションや、触っていて楽しいUI/UXなどですね。
〈戸髙〉
まさにそうですね。単に情報を読むだけでなく、ユーザーが能動的に関わることでコンテンツが変化したり、新しい発見があったりするような、ゲーム的な要素も有効かもしれません。情報が静的に置かれているだけでは、AIの要約対象になってしまいますから。
〈西川〉
コミュニティ機能も重要な体験価値の一つだと思います。同じ趣味や関心を持つユーザー同士が交流し、新たな知識や関係性を生み出す場というのは、AIが自動生成するページではなかなか作れません。そのWebサイトが、人々が集まる「目的値」になることが重要です。
〈吉田〉
技術的な面で言えば、Webサイトが持つ独自の機能やサービスをAPIとして提供し、AIエージェントと連携させるという方向性も考えられます。そうすれば、Webサイトは単なる情報の置き場に留まらず、AIエコシステムの一部として機能し続けることができるでしょう。
〈本田〉
ありがとうございます。これからのWebサイト制作は、単に情報を見やすく整理するだけでなく、いかにユーザーにユニークな体験を提供できるか、そしてAIといかに連携していくか、という二つの視点が重要になってくるということですね。私たちも、常に新しい技術や概念を学びながら、クライアントに最適な提案をしていかなければなりませんね。
座談会を終えて
〈本田〉
本日の座談会はこれにて終了です。OpenAIの新ブラウザ登場の可能性をきっかけに、Webサイト制作の未来について非常に示唆に富んだ議論ができました。Webページが動的に生成される未来、Webサイトがデータハブへと役割を変える可能性、そして「体験価値」の重要性など、私たちの仕事の根幹に関わる大きな変化の兆しを感じることができました。
これからのWeb制作者には、デザインやコーディングのスキルはもちろんのこと、AIの仕組みを理解し、構造化されたデータを提供する能力、そしてAIには代替できない独自の体験を創造する力が求められます。変化の波は非常に速いですが、常にアンテナを張り、新しい時代に対応できるクリエイター集団であり続けたいと思います。本日はありがとうございました。