はじめに

トップページのメインビジュアルに採用している動画は、動画生成AIを活用したものです。
2025年5月から6月にかけて、最先端のツールを用いて試行錯誤しながら11の動画を生成しました。
生成の過程を中心に、動画生成AIの特徴やコツ、実際のプロンプト（AIに生成してほしい内容を伝えるための指示文）をみなさまに共有します。
第4回の記事では、パソコン版メインビジュアルの「ソファに座るダルメシアン」の動画、パソコン版とモバイル版両方のメインビジュアルで流れる「椅子に座る男性」の動画、この2点をテーマにご紹介いたします。

※本記事で紹介するFlowは、執筆時点（2025年7月）では一部のクリエイターに限定して提供されています。本記事は、将来の一般公開に向けた先行情報として、その機能やプロンプトのコツを解説するものです。

Flowとは？

Flowの導入については前回の記事で解説しております。
【Flow】動画生成AI解説 #3
今回解説する内容にも関わりますので、ぜひそちらを先に読んでいただくことをオススメいたします。

動物や人物を自然に動かすために

今回ご紹介する2点の動画は、プロンプトで生き物をゼロから生成しました。
AI生成特有の不自然さを回避することで、よりクオリティが高い動画になると考えています。
そのポイントを3つご紹介します。

1. 開始フレームを工夫する

背景や小道具（ソファや椅子）を設定することで、行動に「文脈」を与えられます。今回の動画も、白い部屋と家具を起点にすることで自然な導線が生まれました。

2. 動作の分解

1つのプロンプトに動作の「連続性」を持たせると、流れるような映像が生成されやすくなります。

3. カメラワークの選択

今回はStatic（固定）カメラを使用しましたが、動物や人物の動きに合わせて適切なカメラワークを選択することで、映画的な演出も可能になります。

「ソファに座るダルメシアン」の動画

- モチーフ：ダルメシアン
- 生成AI：Flow（Veo2-Fast）
- カメラワーク：静止（Static）
- 始点フレーム：白い部屋に置かれたソファ
- プロンプト全文

A black-and-white patterned Dalmatian dog comes into the frame from off-screen walking slowly, stops in front of the sofa, looks at us, and then gets down on the sofa to relax.

プロンプトのポイントは？

ポイントは登場から行動までの流れを1つのプロンプトで完結させたことです。

comes into the frame from off-screen

画面外からフレーム内に入り

gets down on the sofa to relax

ソファに横たわってリラックスします

行動の起点を示したうえで、walks slowly（ゆっくり歩く）という表現を用いてどのように登場するのかを明確に指定しています。さらに、次の行動と感情表現を細やかに指定しました。

「椅子に座る男性」の動画

- モチーフ：男性
- 生成AI：Flow（Veo2-Fast）
- カメラワーク：静止（Static）
- 始点フレーム：白い部屋にスタッキングされた椅子と1脚の椅子
- プロンプト全文

A light-skinned, dark-haired Asian man wearing a white T-shirt, denim, and sneakers walks in from off-screen.He stops once and then sits down in a chair.

プロンプトのポイントは？

ポイントは動作の順序とペースを丁寧に描写したことです。

walks in from off-screen

画面外から歩いて入り

stops once

一度立ち止まって

sits down in a chair

椅子に座ります

行動の起点を示したうえで、男性の行動を細かく丁寧に表現しました。短いシーンながら人物の自然な流れを生成するために必要な手法だと考えています。

おわりに

今回はFlowで動物や人物の自然な動きを実現した、ダルメシアンの動画と男性の動画の2点をご紹介いたしました。他の生成AIにも通ずるだと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
今後、他のツールを使用したアプローチなども含め、Flowの動画生成について複数の記事を公開する予定です。

弊社では動画生成以外にも、さまざまなAI活用に取り組んでおります。お気軽にご質問、ご相談くださいませ。