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【Flow】動画生成AI解説 #3
DIVE in AI

はじめに
トップページのメインビジュアルに採用している動画は、動画生成AIを活用したものです。
2025年5月から6月にかけて、最先端のツールを用いて試行錯誤しながら11の動画を生成しました。
生成の過程を中心に、動画生成AIの特徴やコツ、実際のプロンプト(AIに生成してほしい内容を伝えるための指示文)をみなさまに共有します。
第3回の記事では、パソコン版、モバイル版両方のメインビジュアルで流れる、色が変化する鉱物の動画をテーマにご紹介いたします。
※本記事で紹介するFlowは、執筆時点(2025年7月)では一部のクリエイターに限定して提供されています。本記事は、将来の一般公開に向けた先行情報として、その機能やプロンプトのコツを解説するものです。
Flowとは?
Flowは「クリエイターとともに、クリエイターのために作られたAI映画制作ツール」です。
これはFlow公式ページに記載されているリード文の引用で、その翻訳は下記の通りです。
Flow公式ページ
– リード文翻訳
Flowは、クリエイターとともに、クリエイターのために作られたAI映画制作ツールです。
Googleの最も有能なジェネレーティブAIモデルを使用して、映画のようなクリップ、シーン、ストーリーをシームレスに作成できます。
「film」や「cinematic」といった映画に関連する単語が見られることから、映画のような動画を生成できる性能を強く押し出しており、その他の生成AIとの差別化を図る姿勢が分かります。
本記事の執筆時点(2025年7月)では、Google AI Pro もしくは Google AI Ultra のプランに加入しているユーザーが利用可能です。
出力数と利用モデル

Flowで動画生成するにあたり、最初に設定するべき項目は「プロンプトごとの出力」と「モデル」です。
出力数は1から4まで選ぶことができます。AIの創作性に期待したい場合は多く、精度の高いプロンプトを検証したい場合は少なく設定するのが良いでしょう。また、クレジットの消費にも注意してください。

モデルに関しては、Veo2とVeo3で大きく2つに分けられます。Veo3の方が高性能ですが、消費するクレジットが多くなります。
Google One ヘルプより、各モデルと必要なクレジットは以下の通りです。
| モデル | 必要クレジット |
|---|---|
| Veo3-Fast | 20 |
| Veo2-Fast | 10 |
| Veo3-Quality | 100 |
| Veo2-Quality | 100 |
今回ご紹介する鉱物の動画を生成した際は、まだGoogle AI ProプランでVeo3を使用することができなかったためVeo2-Fastを使用しました。
現状ではVeo3-Fastがオススメです!ファンタジーな世界観の動画を生成したいとき、AIのクリエイティビティに期待するときは特にオススメです。
クレジット消費がVeo2-Fastの2倍であることは念頭に置かなければなりませんが、クレジット差以上の性能差を感じる場面も多くありました。プロンプトがある程度定まっていたり、Veo2-Fastで行き詰まったりしたら、ぜひVeo3-Fastを使ってみてください。
「テキストから動画」と「フレームから動画」

出力数とモデルを選択したら、次は生成方法を設定しましょう。Flowには「テキストから動画」を生成する方法と、「フレームから動画」を生成する方法の2つがあります。
「テキストから動画」はテキストプロンプトのみで動画を生成します。
「フレームから動画」はテキストプロンプト、画像、そしてカメラワークを設定することができます。これ以降は、鉱物の動画を生成した際の「フレームから動画」の設定について解説していきます。
フレームの設定

画像は始点、終点、あるいはその両方を設定できます。2枚の静止画の間を埋めたい、といった場合は両方を設定しましょう。しかしあくまでも動画生成AIですので、必ずしも自然な動画になるとは限りません。プロンプトで詳細な指示を出したり、選ぶ画像を精査する必要があります。
今回ご紹介する鉱物の動画生成の際は、始点のフレームのみ設定しました。プロンプトボックス左下のボタンをクリックすると、画面中央にモーダルが開きます。「画像を生成」はFlowで画像を生成しフレームとして設定、「アップロード」は自身の端末から画像を選択しフレームとして設定します。
処理が完了したら「アップロード」の右側に画像が出現しますので、それをクリックで選択するとフレームに設定することができます。終点のフレームを設定するときも手順は同様です。
カメラワークの設定

FlowではカメラワークをUIから設定できて、しかも13種類から選べます。さらに各カメラワークのボタンにカーソルを合わせると、被写体(カピバラ)と空と地面が映り、どのようにカメラが動くのか、サンプルを見ることができます。
第1回、第2回の記事ではSoraという動画生成AIについて解説しましたが、執筆時点のSoraにはカメラワークを設定できるUIはありませんでした。プロンプトで指示するしかないのですが、カメラワークをプロンプトで厳密に制御することは簡単ではありません。
1本の短い動画を生成するという目的において、また他の動画生成AIと比較して、最も便利で親切だと感じたのはこのカメラワークの設定です。
ご紹介する動画の基本情報

- モチーフ:鉱物
- 生成AI:Flow(Veo2-Fast)
- カメラワーク:右に回り込み(Orbit right)
- 始点フレーム:黒い空間に置かれた鉱物
- プロンプト全文
The colors of the minerals shift smoothly in a gradation of purple, blue, green, and orange.The shape does not change.
プロンプト解説
先に全文を紹介した色が変化する鉱物のプロンプトについて、日本語訳を交えながらポイントを解説します。
特に重要な点は禁則事項を的確に表現することです。今回の動画生成に限らず、生成AI全般に関して有用だと考えております。
─ 色の変化 ─
The colors of the minerals shift smoothly in a gradation of purple, blue, green, and orange.
鉱物の色は、紫、青、緑、オレンジのグラデーションで滑らかに変化します。
動画の中で鉱物の色が紫→青→緑→オレンジの順で、途切れることなく滑らかに移り変わっていくように指示しています。smoothly(滑らかに)と gradation(グラデーション)という単語が、色の変化を自然に見せるための重要なポイントです。
─ 現状の維持 ─
The shape does not change.
形は変化しません。
色の変化はあっても鉱物そのものの形状や輪郭は元の画像のまま維持するよう、否定の文法を用いて、つまり禁則事項として、明確に指示しています。これにより、不思議な色の変化だけが際立つ映像になります。
おわりに
今回はFlowのフレームから動画を生成する機能と、色が変化する鉱物の動画を生成したプロンプトをご紹介いたしました。
今後、他のツールを使用したアプローチなども含め、Flowの動画生成について複数の記事を公開する予定です。
弊社では動画生成以外にも、さまざまなAI活用に取り組んでおります。お気軽にご質問、ご相談くださいませ。