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ひとりごとコラム:リーダーシップと嘘つきについて

随分以前30年ほど前にアメリカの教育番組で大学で行われた実験について放送していました。
非常に興味深く記憶に残っているのですが、どのような実験かと言うと。

リーダーシップと嘘つきの関係性についてでした。

実験の内容はこうです。

まず、幼稚園児のクラス数十名からな被験者を一人づつ部屋に入れ、そこで実験者は被験者である子供にテーブルの上にあるジュースを飲ませます。

ジュースはオレンジ色をしていますが、苦くてあまり飲めたものではありません。

そこで実験者は子供に
「今からもうひとり大人が、この部屋に入ってくるのでこのジュースを甘くて美味しいよと勧めてごらん。」
と言い残し部屋をさります。

しばらくして、大人が一人部屋に入ってきてテーブルを隔てて子供の反対側に座ります。
そこで子供がうまくその大人に対して嘘をついて苦いジュースを飲ませられるかどうかの実験です。

ある子供はもじもじしてうまく大人を騙せません、また別の子供は表情に出て、うまく嘘をつけません。
しかし、平然と顔色を変えずうまく大人を騙せる子供が有る一定の割合で存在します。
その子達を、「嘘がうまい子」とし、そのようにクラス全員を分類します。

ここで実験の第一段階は終了です。

その後、自由に全員で広い部屋で遊ばせ観察します。
当然、遊びの中では数人からなるグループがいくつかできるのですが、グループの中でリーダーシップを取って積極的に皆をリードするのは先に実験した「うまく嘘がつける子」とほぼ同じ子供でした。
また、遊びの中で色々なアイデアを出したりするアイデアマンは「嘘がうまい子」とは関連性は無いようでした。

「リーダーシップを持っている」ということと「嘘がうまい」と言う関連性をうまく実験で実証していました。

ただ、興味深いのはこれからで、
実は実験ではリーダーシップを持っている子が「嘘がうまい」言うのは男の子だけに当てはまることだったということで、女の子に関しては関連性は認められなかったと言う事でした。

別に女性に嘘つきがいないとか、リーダーシップが無いとかではなく。
女性に関してはリーダーシップを持っていることと嘘がうまいことには関連性が認められないと言うことです。

子供を被験者においた実験でそのまま大人に当てはめられるかと言うと、成長過程や社会的な立場により変化し一概には言えないと思いますが。
私がこれまで経験した様々な人間関係において、実験の結果については深く納得するものがありました。

ここからは私見になりますが、拡大再生産を目指す組織や社会においてのリーダーシップは虚構のビジョンを見せる男性がよく、均衡社会においては女性のリーダーシップのほうが安定した社会が目指せるのでないかと思ったりしています。
今の日本においては女性リーダーが求められる時代になっているのではないかと私が思う所以です。

本田謙治